2歩戻ったら2.5歩進みたい

関東で働くweb developerのブログ

マスタリングTCP/IP 入門編を読んだ

webエンジニアになりたての時に「エンジニアにおすすめ!」みたいな記事を読んで買ったんだけど当時何が書いてるのか全く分からなくて積んでしまっていた本。

3年ぐらい経った今、ぼんやりエンジニアとしての基礎が足りないと感じていたところにふと目についたので手にとって読んでみた。

感想

序盤の章ではインターネットの歴史からOSI参照モデルTCP/IPにおける簡単な通信の流れをさらって、以下の章では各層のプロトコルを順番に解説していた。

ネットワーク周りがずっと苦手で避けてきたので前提知識がほぼ無いような状態で挑んだ割に面白く読めたと思う。プロトコルを普段の生活に例えて説明してくれるところが読みやすかった。例えばTCPとIPにおいて目的のホストに辿り着くまでの経路解決が「駅員に目的地だけ伝えたら次はどこに行けばいいか分かる」という説明をされていて分かりやすかった。

自分のようなネットワーク何もわからんマンには序盤の章でざっくりした全体図を示してくれるのはすごく助かった。あと全然関係ないんだけどTCP/IPの標準化までのプロセスは実際に役に立つ仕様を作成するための仕組みという感じがして面白かった。

3章以降は各層のプロトコルに関してもう少し突っ込んだ説明がなされていて、こっちに関してはふんわりとわかった気がする...というのも、読んだ時は理解してるんだけど応用するための知識として引き出すには足りないのでもうちょっと実務で使うなり深めるための学習が要るような気がする。とはいえ一回分かってればあとは引き出すことは出来そうなのでそういう意味で読めてよかった。

本筋とは別の話で面白かったこととして、全体通してプロトコルが発展する時の思想としてひたすら「実践的かどうか」を問いながら進んでいるのが面白いなと思った。プロトコルを先に策定して広めるのではなくて、提案をベースにして実験と議論を行い、主要メンバーが承認すると実装され始め、その上で広く運用されると晴れてStandardになる...というプロセスを踏むので標準として策定されたときには十分に洗練された状態になっている。ただインターネットの偉人たちによってこれだけ標準化までのプロセスを洗練させても、長い時間が経つと想定外の事が起こってるのを見ると事前に起こる問題を予想し切るのは無理なんだなぁ...と思った。

話が逸れたけど、短期的に見ると効果が薄いけど長い目で見たら読んだほうが良いタイプの本をちゃんと読み切れたのはすごく良かった。このベースがあると今後の実務レベルの知識が入ってきやすくなると良いな〜〜〜〜〜。終わり。